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鉄道さんというより、きっと西武帝国の日々。
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うつたか的な。


「高崎、手出して」
「何」
「……やっぱり爪伸びてる」
「何だよ。それがどうかしたか」
「しみるんだよね」
「だから、何が言いたいんだよ」
「夜、誰かさんが爪を立ててしがみつくからね」
「……!!!」
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八高さんでシリアス。


今年もこの日が来た。
八高線は眩しい日差しに眼を細める。
手にしていた花束を置いて、背筋を正した。
いつもかけている漆黒のサングラスを今は外している。
この日だけは。自分の目で直視しなければ。
遠くで轟音が響く。飛行機の騒音。
それが鼓膜の奥で何重にも木霊する。
あの日まで、空を覆い尽くしていた音。ずっと近くで。
白い太陽も白い雲も、何より青い空はあの日と変わらず。
目の前には慰霊碑。
眼を瞑る。
あの凄惨な事故があった日は今日ではないが、今日と関係が深い。
自分が作られた理由と、自分が存在したが為に起きた事故。
今でも耳に残る轟音、悲鳴。
今でも瞼に焼き付いた、血で染まった赤い川。
それらは自分がいなければ起こらなかった。
あれがなければ、自分は作られなかった。
六十五年前。
玉音放送。
そして、終わった戦争。
それが勝利に終わると信じていた頃に作られた自分。
そうして、起きた悲惨な事故。
一部始終を眼にした。
ひしゃげた車体。ばらばらになった四肢。赤く染まった川。
今は穏やかに青い空を映す水面。乱反射する日差し。
それらを遮る遮光眼鏡を今ははずし、八高線はこうべを垂れて、手を合わせた。
自分は未だこうして存在している。そのことを謝罪する為に。
何より、自分が無事なことが許せなかった。
軍用路線として作られた挙げ句に、二度も大きな事故を起こしながら。
何故のうのうと生きているのか。
あの日の悲鳴が断罪の声となる。
蝉しぐれの幻聴。
目を開ける。汗が額から頬を伝う。
青い空は六十五年前と変わらず。
気温は幾分か上がったが。
網膜を刺す白い日差しはあの日のまま。
じっと碑文を見詰める。
それが罪の証であるように。
せめて腕の一本も失っていれば。
少しでも犠牲者の慰めになったろうに。
せめて視力を失っていれば、もう青い空を見ずに済んだのに。
繰り言だ。
何を言っても、失われた命は帰らない。
後悔を抱えて走るしかない。
死者が帰るというこの日に、戦争が終わったのは意味があることかもしれない。
しかし、死者は何も言わない。
悲鳴だけを耳の奥に残して。
再度頭を下げて立ち去ろうとした時、小柄な老婆が歩いてきた。
手に花を下げている。
年齢的に遺族だろう。
通り過ぎざま、小さく頭を下げた。
自分にできることはこれぐらいしかない。
そのことに身を引き裂かれそうな思いがする。
いっそ足を失っていればよかった。もう二度と走れないように。
思うだけなら、何でもできる。それを実行しないのは弱さだ。
サングラスをかけただけでは、何の贖罪にもならない。
ただ痛みを抱えているだけで、何もしていない。
ただこの日に花を供えるだけで。
再び飛行機の轟音が聞こえた。
呪詛に似た音を背にして、八高線は足を速めた。
俯いて、足先だけを見詰めながら歩く。
その理由を夏の日差しのせいにして。





ケータイからじゃなくて、ちゃんとPCから打てばよかったと後悔。
資料をろくに調べてないことも後悔。
勢いだけで書く内容じゃないよね。
完全に自己満足です。八高さんが好きすぎです。すみません。

またしても、ついったでつぶやいた小話。


暑い。暑い。何度も言うから、イラッとする。そんなことは分かってる。イライラするのも暑さのせい。暑いって言ったら100円ね。そんなの高すぎる。そう応えるから、じゃあ、暑いって言ったら、手繋ぐから。渋い顔をするけど、反対意見はなかった。
ついったでつぶやいた小話。


何も見えねえよ。高崎が言う。だって目を閉じてるからね。お前が目を瞑れって言うから。うん。見ない方がいいよ。何をだよ。そうして、尖らせた唇にくちづけひとつ。
久しぶりに、うつたかー。
誰か、うまいオチのつけかたを教えてプリーズ。


「高崎、手出して」
宇都宮がそう言うから、高崎は素直に手を出した。
すると、宇都宮はその手を掴んで上に向ける。
何をするのかと見ていると。
すっと、指先が。
触れるか触れないかの位置で手相を辿る。
微弱な電流のような刺激。
「……何してんだよ」
「感じた?」
「くすぐってぇよ」
含みのある物言いを即座に切って捨てる。
宇都宮は笑みを向ける。
掌のかすかな感触と、その表情と。
かあっと顔が熱くなる。
「もう離せ」
宇都宮はくすりと笑って。
「続きは後でね」
なんて言うから。
「続きなんか、ない!」
手を振り払う。
けれど、これは勝ち負けで言うなら、負けなのだ。
だって、掌の感触が消えないから。
顔だって、きっと赤い。
癪にさわる。
だから、制服の胸元を掴んで。
噛みつくようにキスしてやった。

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