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鉄道さんというより、きっと西武帝国の日々。
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たぎったので、もう一個嵯峨野×由?ぽい小話を書きました。
これも、ネタバレ?なので、つづきに埋めますー。

「茶色くてしかくの」


「オマエ、何食ってんだ?」
食事をしようと言った由について、建物に入れば。
皿の上には茶色くて四角いものが乗っているだけで。
「何って、お揚げさんだけど」
何を問うのかという風に由が答える。
「……茹でたのか?」
「ううん、何も」
嵯峨野は大仰に溜息をついた。
「……普通は焼くぐらいするだろ」
それ以前の問題のような気もしたが、深く追求はしない。
「そうなの?お揚げってこのまま食べれない?」
「食べたことあるのか?」
「お味噌汁に入ってたり、お稲荷さんになっているのは食べたことあるよ」
「生はないんだな」
再度溜息をひとつ。
「何でそこで溜息つくの?」
全く意味が分からないといった風の由。
「お揚げっていうくらいだから、揚げてあるんだよね。なら、ダイジョウブじゃない?」
「……ちょっと、それ持って来い」
立ち上がった嵯峨野に言われるまま、由は油揚げの乗った皿を持ってついていく。

「……何で、うちに?」
現れた二人に灯吾は呆れた顔で訊いた。
「だって、さがのさんがついてこいって」
「コイツにお揚げの料理法を教えてやれ」
「……一緒にしゃべるなって……。それで、お揚げを持って来たのか……」
合点はいったが、納得はしかねる表情で灯吾は由と嵯峨野を等分に見た。
「このままだって、美味しいよねぇ?」
「……いや、油っぽいと思うぞ。しょうがねぇ、何か適当に作るから待ってろ」
由から油揚げを受け取って、灯吾は台所に引っ込んだ。
「つばきがご飯作ってくれるって。よかったね」
嵯峨野を見上げる由。
「…………」
何度目かの溜息をついて、嵯峨野は椿家の定位置に座った。
「…………」
それから、この先のことを思って、もう一度溜息をついた。
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